2013東西各大会優勝者

head_a.png

2012_W_E_02.png

東大会優勝
大同大学 粂 哲也

2013_W_E_02.jpg

2013_W_E_03.jpg2013_W_E_04.jpg2013_W_E_05.jpg2013_W_E_06.jpg

学ドリにあらたな伝説!
3速を失いながらトーナメント5連続勝利の奇跡!

東大会優勝
大同大学
粂 哲也
愛知県安城市在住 22才
シルビア(S14)


2013_W_E_07.jpg

去年の学ドリ白書でも2ページ掲載だったけど、それは「残念なヤツ」って意味でのネタ扱い。だけど、今年はちがう。2年目にして東大会優勝だ。しかも、3速がないのに、トーナメントで3連続勝利、さらに統一戦でも決勝まで残ったのだから、通算5連続勝利! こんなミラクル、世界じゅうどんなドリコンでも見たことない!

統一戦でも準優勝!
逆境に打ち勝つとはまさにこのこと!

 去年の3位で終わったあと「来年は出ないと思う」と言ってたけど、やはり悔しかったのだろう。まわりにも「3位のままで終わらせていいのか?」と言われまくったみたい。
 地元の強豪チーム「マインドコントロール」のメンバーだからもっと大きなドリコンを狙ってもいいんだけど、このままステップアップしても悔いが残るのだろう。学ドリに戻ってきた。
 去年は初挑戦で初日光ということもあり、開催日の1週間まえから合宿状態で練習しまくっていたけど、今年は前日の深夜に家を出て到着もギリギリ。気合いのわりに余裕あるっていうか…。ちなみに去年から今年にかけて、日光サーキットの走行回数はゼロ!
 それでもさすが優勝候補だ、予選は楽々と通過。順調にコマを進め、あぶなげなくベスト8、つまり決勝トーナメントに残った。
 しかし、運命のいたずらってのは本当にあるもんだ。決勝トーナメントの直前にミッションブロー。3速がなくなったのだ。
 これに気がついたときの彼の落ち込みようったらなかった。運営スタッフにそれを告げたときはほとんど泣いていた。3位の呪縛を振りほどくどころか、戦うまえから「3」に翻弄されるとは…。
 しかし、審査員のふたりが彼に勇気を与えた。
「3だろ? そんなのなくてもオレなら余裕で勝つね」「4で進入すればいいじゃんか、そのほうが速いし」などと軽い調子で励ましたのだ。
 ほかの7人はさぞかしホッとしただろうな。優勝候補がいきなりこれだもん、いくら学ドリでもベスト8から先はトラブッたマシンで勝ち進めるほどあまくない。
 しかし、その予想はいきなりブチ壊された。
 最終コーナーを2速で立ち上がり、4速へ。まるでシフトミスのような音から蹴って進入! うまい! シフトダウンもバッチリだ。さらに高速コーナーでもおなじく2から4で蹴って蹴って流し続ける! バックストレート3発は3速じゃないとちょっとつらいか…と思われたけど、車速をうまくコントロールしてなんとか乗り切っ…いや、そんなレベルじゃない。3速があるのと変わらない走りだ。そして勝利!
 ピットに戻って勝利を聞いた彼の顔ったらなかったね。顔をくしゃくしゃにしちゃって、こんどはうれし泣き寸前だ。まさしく逆境に打ち勝ち、勇気と自信をつけた顔だった。
 そのままあれよあれよと勝ち進み、終始ミスなく東大会優勝。「3位の呪縛」に散っていった先輩たちも泣いている。彼のまわりはもう大変な騒ぎだ。この感動、万全のマシンコンディションだったら味わえなかっただろう。彼も、まわりも。
 統一戦でも勢いに乗って決勝まで進んだけど、米内くんのメンタルはそれをうわまわった。東大会で3速なしの相手に負けた悔しさをしっかりリベンジしてきた。返り討ちにあった、なんて言うと不名誉だけど、最後までハラハラさせてくれた粂くんのガッツはみんなの記憶に残っただろう。

PROFILE

■在籍[大同大学 工学部4年] ■ドリフト歴/所属チーム[2.5年/Mind Control with MCRファクトリー] ■月平均ドリフト回数[ストリート1回/サーキット1回] ■ドリフトしたことがあるサーキット[YZ本コース・YZ東コース・日光 鈴鹿ツイン・三河・間瀬] ■おもなコンテスト成績[MSC間瀬エキスパート3位 MSC間瀬トリプル2位 みんドリYZ東コース3位] ■学ドリ参加回数[2回目 最高位2012年統一戦3位] ■車両購入価格[50万円] ■月平均ドリフトにかかる費用[2万円くらい] ■収入[ホームセンター(平均月収5万円)] ■彼女の有無[あり]

SPEC

■エンジン[MCRヘッドガスケット HKSカム(256/264度)/GTⅡタービン/エキマニ/アウトレット/エアクリ アペックスパワーFCブリッツSBC(設定ブースト1.0㎏/㎠) 社外フロントパイプ 740㏄インジェクター オリジナルマフラー(80φ) コーヨーインタークーラー/ラジエター/オイルクーラー Z32用エアフロ] ■駆動系[社外2ウェイLSD ニスモクラッチ/フライホイール 純正5速ミッション ファイナル4.3] ■サスペンション[D-MAX車高調(F9㎏/㎜ R7㎏/㎜) 326POWER番長ナックル イケヤフォーミュラタイロッド/リヤアッパーアームクスコトーコンロッド 前後社外スタビ BCNR33フロントキャリパー] ■エクステリア[D-MAXフロントバンパー/サイドステップ/リヤバンパー/リヤフェンダー スーパーメイドフロントフェンダー BNスポーツボンネット バンキッシュルーフスポイラー 純正リヤスポイラー] ■インテリア[S15純正ダッシュボード ブリッドジータⅢ ナルディ(33φ) ウィランズ4点式シートベルト デフィブースト計/水温計/油温計/油圧計 KTS7点式ロールバー] ■ホイール&タイヤ[Fレイズ57D(9J-17 off+12 スペーサー30㎜) フェデラルRS-R(235/40-17) Rレイズ57D(9J-17 off+12 スペーサー20㎜) フェデラルRS-R(255/40-17)]

西大会優勝
広島大学大学院 上野一誠

2013_W_E_08.jpg

2013_W_E_09.jpg2013_W_E_10.jpg2012_W_E_11.jpg2012_W_E_12.jpg

西大会初の1JZ搭載車で優勝!
「伏兵」が王者になれたのは、気負わず楽しんだから!

西大会優勝
広島大学大学院
上野一誠
広島県広島市在住 23才
ソアラ(JZZ30)


2012_W_E_13.jpg

学ドリだけじゃないけど、本番で実力を発揮できなければ勝てない。学ドリは走りのレベルだけじゃなく、どれだけクルマの限界を引き出せているかを重視する。それともうひとつ、見るものを魅了するナニかが学ドリ優勝には不可欠。勝ちを意識しないパフォーマンス精神と本番の強さが生んだミラクルは、はじめて走る日光でも健在だった。

記録より
記憶に残る走りで勝利!

 学ドリ最初の難関といえば書類選考だけど、多くの参加者が味わう緊張のピークは予選のパイロン卍だ。"広島のウエチン"こと上野くんもそのひとり。「予選まえに整列しているとき、緊張しまくりで足がガクガク震えてましたよ」と、このあと優勝したとは思えない状況だった。
 おかげでパイロン卍は大失敗。走ったあとは絶対に落ちたと思って沈みまくったけど、通過できておおよろこび! 予選まえのお祭り気分が復活し、楽しくてしょうがないモードに突入!
 コース攻略は練習走行からスタート。朝イチの走りで「アクセルの踏み込みが足りなかったし、角度も浅い」と自己分析して修正するも、成功率は五分五分。おなじ学校の繁田くんのほうが調子いいなと思ったくらいだ。
 それでも「インパクトのある、記憶に残る走りをしよう!」と、練習走行でつかんだイメージを1回戦でキープでき、うまく決まって2位通過! 期待以上の結果にお祭り気分は加速していった。
 ここからの快進撃について、審査員は「あいつ、最初は地味だと思ったけど、走るたびによくなる。アドバイスどおりに気合いを走りにブツけてくる。見ててわかるよ」と絶賛。
 決勝戦までくると、すでに緊張感はゼロ!「ここまで来たら優勝とかじゃなくて、どれだけギャラリーを沸かせられるかだけを考えてました」というパフォーマンス野郎へと進化した。去年6位で優勝候補としてみんなにマークされまくっていた谷口くんは、決勝戦で緊張のあまり実力を発揮できなかったみたいだから、まさにプレッシャーに打ち勝つ精神力の勝負だったといえる。
 そうそう、2回戦まえに古口ちゃんから「みんなぜんぜん勢いが足りない!」と通過者全員が激を飛ばされた(怒られてるにちかい)んだけど、このときシュンとうなだれる2回目以上の学ドリ経験者のなかで、彼は「すげー! やっぱ学ドリ熱いぜー!」とテンションが上がって興奮していたそうだ。
 統一戦にむけての準備はとくになし。ぶっつけ本番で日光に乗り込んだ。
 2速メインのはだし天国に慣れた上野くんにとって、日光サーキットはむずかしそうな印象だった。じっさいに走ると想像以上だったそうだ。攻略の糸口が見えずビビっていた西日本勢を救ったのは、昨年のチャンプ大久保くんのアドバイス。
 2日目の練習走行で成功率6割まで精度を高め、東大会決勝を見守ってテンションも上昇。持ち前の本番の勝負強さを発揮して練習以上の走りを披露! しかし、裏三発の最後で無念のスピン。学ドリではじめて味わう敗退に悔しさはハンパじゃなかった。
「あそこでスピンしなければ・・・って、いま思い出してもホントに悔しい。でも、いままで興味がなかった大会に挑戦したくなりました!」と上野くん。
 来年は就職して大阪に引っ越すというから、こんどは"大阪のウエチン"としてヴィトーくんや片山くんと切磋琢磨してほしいな。

PROFILE

■在籍[広島大学大学院 理学研究科2年] ■ドリフト歴/所属チーム[3年/落広連合] ■月平均ドリフト回数[ストリート0回/サーキット2回] ■ドリフトしたことがあるサーキット[はだし天国・広島スピードウェイ・備北] ■おもなコンテスト成績[はだし杯予選敗退] ■学ドリ参加回数[1回目] ■車両購入価格[20万円] ■月平均ドリフトにかかる費用[約5万円] ■収入[コンビニ店員(平均月収3万円)] ■彼女の有無[なし]

SPEC

■エンジン[アペックスエアクリ 社外マフラー コーヨー銅3層ラジエター GPスポーツクーリングファン] ■駆動系[TRD2ウェイLSD 純正5速ミッション] ■サスペンション[ZEAL車高調(FR10㎏/㎜)サトルワークスナックル 知恵の輪] ■エクステリア[ビッグウィンフロントリップ オリジンサイドステップ/リヤバンパー 社外フロントフェンダー/オーバーフェンダー D-MAXボンネット] ■インテリア[レカロセミバケットシート ナルディタイプハンドル(33φ) 4点式シートベルト 水温計/吸気温度計] ■ホイール&タイヤ[FウェッズSA70(9J-17 off+10 スペーサー25㎜) フェデラルRS-R(235/40-17) R不明(8J-17 off+45) ケンダKR20(215/45-17)]