2012東西各大会優勝者

チームの伝統を守り
さらにレベルアップさせた！

　とにかく、大会まえにドライの日光がまったく攻略できなかった。今年も余裕だろうと思った仲間たちも、６月に走りを観に行って唖然としたそうだ。あきらかに勝負にならないレベルだったようで、センパイの姉帯くん（２０１０年の統一戦チャンプ）が２日間付きっきりで指導。見ちがえるほどよくなったけど、それでも不安はあったそうだ。
　そして迎えた当日。クルマは前日にオールペンが終わり、チームのボスや先輩も観にきていて、相当気合いが入っていたけど…２周目で全損級クラッシュ！
　予選は１本目のパイロンへのアプローチで１速が入らずドリフトが戻り、アタマが真っ白になったのか、ほとんどドリフトせずに終了。だれがどう見ても予選落ちだった。
　その夜、チーム員と風呂やご飯に行って元気付けられ、あとから応援に駆けつけてきた仲間達に励まされて大泣き。こうしているうちに気持ちがポジティブに切り換えられ「やるしかないんだ！」って気持ちで２日目を迎えた。「モッコマンズに入ってなければ２連覇はなかった」というくらいこの夜は重要だったのだ。
　敗者復活戦は逆走。走ったことはなかったけど、審査にナニが求められているのかを読みとり走りを組みたて。それがハマって１位で通過したけど、切磋琢磨してきた馬場くんが１回戦で敗退して動揺。それが響いて２回戦はずっこけてギリギリ通過。ベスト８ではド派手スピンをかますも相手もミスって運よく勝ち上がる。なにしろ波瀾万丈だった。
　田口くんが今大会のベストバトルと振り返るのは準決勝。大同大学とマインドコントロールの看板を背負って参加してきた粂くんとの対戦だ。
　いままでの学ドリで、モッコマンズはマインドコントロールに負けたことがない。日光をほとんど走ったことないヤツに負けるワケにはいかない。プレッシャーがすごくて、内心はテンパりっぱなしだったそうだ。コースインするときグローブを忘れてしまったくらいだからね。
　結果的に勝ったけど、手応えがなくて、結果発表までわからなかったそうだ。その粂くんとは統一戦でも対戦し、サドンデスのすえ勝利。モッコマンズの面目をキッチリ守りきった。
　これで勢いに乗り、連覇をかけたＮＡＴＳの同胞、高橋くんとの対戦では、振り出しのカッコよさは譲ったけど、１コーナーとバックストレートの進入で１輪落としがキレイに決まり、一発で優勝を決めた。「まぐれだったかも、夢のようだったし」という去年はいちども涙を見せなかったけど、今年は数え切れないくらい泣いていた。
「１００倍大変だっけど、そのぶん１００倍うれしかった。これで学ドリを卒業します」と田口くん。勝ち逃げかよ?と思うかもしれないけど、来シーズンは学生の立場でＤ１地方戦フル出場をめざすそうだ。