2009東西統一王者

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第8回 東西統一選王者
名古屋大学大学院 石橋洋二郎

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215名の頂点>>学生ドリフト王決定!
最初で最後のチャンスを初走行のコースで完全制覇!

第8回全日本学生
ドリフト王座決定戦王
西日本大会優勝
東西統一戦優勝
名古屋大学大学院
石橋洋二郎
愛知県名古屋市在住 23才
180SX(RPS13)6年式


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D1SLライセンスを持ち、MCSチャレンジでも活躍していることから、優勝候補のひとりとして挙げられていたひとりだった石橋くん。しかし、備北ハイランド初走行で、朝イチの練習走行でハデにクラッシュ。無念のリタイヤと思われたものの、見事に立ち直りあれよあれよと勝ち進んで優勝! そのまま波に乗って東西統一戦も優勝! まさしく学ドリチャンプにふさわしいニューヒーローの誕生だ。

テクも精神力も超学生級!

 彼は朝イチから目立ってた。備北ハイランド初走行だってのに、1周目から全開で1コーナーに突っ込んだのだから。フリー走行まえのドラミで、審査員が「今回は安全にテクを競ってほしいからアウトラインを白線で内側に引くんで、そこからタイヤが出たら審査外とします」と言ったのに、それを完全に無視したカベギリギリのアウトラインめがけて軽く逆振りを入れた蹴り一発! 
「あいつバカだな〜! いくらカッコよくても落ちるぜあれじゃ」って見てたんだけど、うまいなーと思ったのは事実。あまりにも速いのだ。審査ラインなんてフリー走行にはカンケーないワケだし。
 しかし2周目、おなじ勢いで突っ込んだ彼は、まえを走るクルマがスピンしたのを避けきれず激突! フロントまわりはグチャグチャになってしまった。「ほら、言わんこっちゃない…」と正直思ったね。
「どうして審査ライン無視して走ったの?」と聞いてみると「いやぁ、ビデオで見たストリートリーガルの進入が頭にあったんで、まずはそれをやってみて、それがうまくいったら修正していこうかと思って…」と答えが返ってきた。
 この時点ではこの男が優勝するだなんて思いもしなかった。よくいる”うまいけどお調子モノ”だと思ってたんだ。クラッシュの被害もけっこう大きそうで、ピットの柱にロープをかけてフロントまわりを引っ張っていたほどだからね。
 しかし、ボンネットもバンパーもない黒い180SXの快進撃はめざましかった。予選をなんなく通過すると、コース走行はほとんどミスなし。学ドリ専用のアウトラインにリヤタイヤをピッタリ乗せて攻め続けてきた。
 スピードも角度もモンクなしで、アクセルを開けるタイミングがひとより早い印象。それは遠くからでも白煙でわかる。音が途切れる時間もごくわずかだった。
 西大会に優勝まではあっというまだった。そして迎えた統一戦。
 決勝戦は西日本大会で対戦した創価大学の辻くん。勝敗はきまらずサドンデス。ふたりの最後の1本で審査員はかなり悩んでいた。ライン的に差はない。速度もほとんどおなじ。決め手となったのは1コーナーで飛ばしたあとのアクセルを踏みはじめるタイミングだった。
 学ドリ初挑戦で総合優勝だなんて、まさに偉業だ。だけどこれはマグレでもなければ余裕でもない。3年まえからこの座を狙い、そのあいだにD1ストリートリーガル権を取得し有力チームで日々もまれた男は、落としちゃいけないタイトルを確実に獲っていったのだった。
 走りでナンバーワンになった彼は、クルマの作り的にもかなり高いレベルだ。しかも塗装とコンピューターセッティング以外は自分でコツコツ仕上げたって聞いてビックリ。「ボロくても走れればいい」みたいな”クルマ=運動靴”みたいな考えではなく、オシャレアイテムでもあり、遊び道具でもあるってかんじ。それでいて戦闘力あるんだもん、だれもが憧れるカタチだろう。
 実際、先月号に掲載するための撮影(外観を修理しおえて)には自走で編集部まで来てくれたし、ドリフト天国ビデオ(10月16日発売号)の収録のために上京したときも、やっぱり自走だった。とにかく、ドリフトじゃなくても自分のクルマに乗ることが楽しくてしょうがないってかんじなんだ。
「VIPとかラグジー系のメイキングが好きで研究してます」というように、ブラックにオールペンされた180SXは、フォグランプをビルトインした自作バンパーや、HDDナビやオーディオなども抜かりない。
 彼は実家を離れひとりぐらしだから、デートでも買い物でもこれ1台でこなす。街乗りでヘンに走り屋をアピールしたくないからと、マイコンカラーはパープルメタなんだけど、ひとりブラックを貫いているくらいだ。
 だからって走りがヌルくなることもなく、むしろ走りメイン。「S14のようなキビキビした動きを追求してきた」との発言は、マインドコントロールのライバルたち(学ドリのライバルでもある)にS14が多いからかな?
 ここまで作りこむにはかなりオカネもかかるだろうから「学生らしくない」と思うひともいるかもしれない。だけど、オールマイティに使えるこんなメイキングこそが、学生のみんながめざしたい姿なんじゃないだろうか?

PROFILE

■在籍[名古屋大学環境学研究科2年]■ドリフト歴/所属チーム[4年(19才のときストリートデビュー)/マインドコントロール(今年から加盟)]■月平均ドリフト走行回数[ストリート 10回(平均3〜4時間)/サーキット 1〜2回]■ドリフトしたことあるサーキット[YZサーキット(本・東)、モーターランド三河、オートランド作手、鈴鹿ツイン、モーターランド鈴鹿、おわらサーキット、間瀬サーキット、名阪モーターランドCコース]■おもなコンテスト成績[D1選考会(間瀬) 7位 MSCチャレンジ(YZ東) トリプル3位]■学ドリ参加経験[初参加(2008年に書類選考落ち)]■車両購入価格[35万円(個人売買)]■これまでの改造費[未回答]■月平均クルマにかかる費用[10万円くらい]■住居[アパート(1K 家賃6万4000円)]■収入[ガソリンスタンドでアルバイト]■彼女の有無[あり]■ドリフト以外の趣味[かつてはバンド(ドラム)]■就職先の希望[すでに内定済み]

SPEC

■エンジン[東名ヘッドガスケット(1.5㎜) 東名アームズB7652タービン(設定ブースト1.2㎏/㎠)トラストサージタンク 東名ポンカム ニスモ740㏄インジェクター 東名フューエルポンプ FコンVプロプロフェクB NGK♯9プラグ HPIメガマックスクリーナー KOYOタイプZラジエター トラストオイルクーラー シルクロードエキマニ HKSアウトレット HPIデュアルフロントパイプ スーパーメイドマフラー]
■駆動系[純正5速+ファイナル4.3 ニスモスーパーカッパーミックス ニスモGT LSDプロ]■サスペンション&アーム&ブレーキ[フロント
テインスーパードリフト車高調(10㎏/㎜) クスコスタビライザー ニスモロアアーム&テンションロッド イケヤフォーミュラタイロッド 切れ角アップスペーサー7㎜ 326パワーナックル HCR32キャリパー リヤ
テインスーパードリフト車高調(8㎏/㎜) BNR32純正スタビライザー S14純正メンバー移植 ヤナック変換マウント マックスアッパーアーム カザマトーコン&トラクションアーム GT-1ローター]■外装パーツ[後期純正改フロントバンパー ベンツSクラス純正フォグ埋め込み T&Eサイドステップ  326パワールーフ&リヤスポイラー ガレーヂSボンネット スーパーメイドフロントフェンダー オリジンリヤフェンダー]■内装[S15純正ダッシュボード移植 レカロSP-GⅢ ナルディラリー33φ Defi追加メーター(ブースト/水温/油温/油圧) 6点式ロールバー バッテリー移植]■ホイール[FワークVS-KF(9J-17 off−3) RワークXSA(9J-17 off+5)※走行時]